派遣の旅

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【ボマルツォの奇妙な公園】イタリアの怪物公園に行ってみた


ひっそりとした森の中に35個の奇妙な石像が点在する不思議な公園がイタリアの中部ラツィオ州にあります。
ヴィテルボ県ボマルツォのParco dei Mostri(怪物公園)です。

怪物公園の本当の名前

正式名称はBosco Sacro(聖なる森)といいます。

夏、この公園を訪れました。
美しく静寂な森の中に狂気を感じるような石像はジョジョの奇妙な冒険の世界観にぴったりと重なります。
荒木飛呂彦先生、この公園をモチーフに作品を描いてくれないかなあ。

公園にある石像

ほんの一部ですが公園内の石像をご紹介します。

スフィンクス

公園に入ってすぐお迎えしてくれるのが二対のスフィンクスです。
見た感じ女性です。Hカップくらいあります。

プロテウス・グラウコス

ギリシャ神話の海神、ポセイドンですね。
アシカみたいに芸をしている
のではなく、頭に乗せているのはたぶん地球。

ヘラクレスとカークス

立っている方がギリシャ神話の英雄ヘラクレス
プロレス技をかけられているのがローマ神話の人食い巨人カークスです。
リアル進撃の巨人

ペガサスの泉

小さな泉の上にペガサスの像が乗っています。
泉に水はありませんが近くに小川があり、せせらぎがなんとも心地よいスポットです。

イルカの泉

私の知ってるイルカとは全然違う。。
く、食われるぅ!
ここも泉だけど水ありません。

ドラゴンとライオン

どっちがドラゴンでどっちがライオンか迷いますが、たぶんイッちゃってる目をしている方がドラゴンです。

眠れる美女

「う〜〜ん、あと500年…」
春眠暁を覚えず

傾く家の内部

外観は下で出てきますが傾く家の内部はこんな感じ。
もれなく斜めります。
昔はこの家の近くが公園の入り口だったそうで、この家で来訪者の度肝をまず抜いてから散策が始まったそうです。

怪物公園を作った人


怪物公園(パルコ ディ モストリ)は西暦1552年、領主のヴィッチーノ・オルシーニ公が著名な建築家のピッロ・リゴーリオに造園を依頼して作られました。


リゴーリオという建築家は、ミケランジェロが亡くなったあとにヴァチカン市国のサンピエトロ寺院の建設を引き継いだ事でも有名なスゴイ人です。

怪物公園を作った訳


怪物公園は完成までになんと30年を要しています。
なぜこのような奇妙な公園が作られたのでしょう?

オルシーニ公にはジュリアという奥さんがいました。
貴族同士の結婚ですから少なからず政略的な婚姻だったと推察しますが二人はとても仲睦まじかったそうです。


ところがジュリアは若くして亡くなってしまいます。
悲しみにくれたオルシーニ公はジュリアに捧げるためにこの公園、Bosco Sacro(聖なる森)を作ったのです。

なぜか400年間誰からも忘れ去られていた怪物公園


怪物公園は1585年に完成しましたがオルシーニ公が亡くなった後400年もの間、誰からも忘れ去られていました。


1954年になってイタリア人のジョバーニ・ベッティー二氏がこの公園を買い取って修復し、一般公開しました。
しかしここでも悲劇が起こります。
ベッティー二氏の奥様もこの公園で散策中に転び、その時のケガが元で早くして亡くなってしまったそうです。

悲劇の森、悲しみの森、聖なる森、奇妙な森
それがボマルツォの怪物公園です。

あの稀代の芸術家サルバドール・ダリも1948年10月に怪物公園を訪れており、貴重な映像が残っています。

ベッティー二氏が公園を修復する前ですね。
石像に登ったりして楽しそうです。

怪物公園への行き方

ローマから車で1時間半程度です。
電車とバスを乗り継いで行く事も可能ですが、不便な場所にあるのでツアーが絶対的にオススメです。

日帰りで行けますのでお時間あったらぜひ行ってみてください。